誰でもわかる!ライブハウスの「メインスピーカー」選び入門

〜スピーカーの大きさが大きければ…大きい音が=正解、じゃないんです!
ライブハウスを作るとき、メインスピーカー(お客さんに向けて鳴らす「主役のスピーカー」)は、かなりの高額な買い物になりますが、ここはなんとか頑張っていものを…というのがよくある話です。なぜなら、ここで決まる音が「この箱(ライブハウス)の特徴」そのものになるからで、とても重要な役割なんですね。
たとえば、同じバンドが演奏しても、スピーカー選びが良い会場は「うわ、気持ちいい!」
となりますし、合っていない会場は「音がうるさいのに歌詞が聞こえない…」となってしまいます。
1. まず大事:ワット数だけ見ても“強さ”はわからない
昔は「○○Wだから強い!」みたいな時代がありました。
でも今は、プロの現場ではもっと大事な見方をします。
✅ 本当に見るべき2つ
- 最大音圧(Max SPL):どれくらい大きな音を“キレイに”出せるか
- 指向性(しこうせい):音をどの方向に、どれくらい狙って飛ばせるか
ワット数は、ざっくり言うと「電気をどれだけ使うのか」。
でも、お客さんに届く“音の強さと届き方”は、まったく別の話なんです。

2. 会場の大きさで必要な“音の体力”は変わる
会場が大きくなると、必要なパワーは少しずつ…じゃなくて、一気に増えます。
しかも、お客さんの体は音を吸い込みます。満員だと特に高い音(高域)が減りやすいので、余裕(ヘッドルーム)があるシステムが必要になります。
スピーカー目安(概要)
| 会場キャパ | ライブの目安 | 重要ポイント |
| 〜30人 | 小さめでもOK | ハウリングしにくさ・設置のしやすさ |
| 〜100人 | 中くらい | 歌や声の聞こえやすさ(中音) |
| 〜350人 | 大事な分かれ道 | 低音を支えるサブ導入・音の狙い(指向性) |
| 〜500〜700人 | かなり本格 | 後ろまで均一に届ける工夫(ラインアレイ検討) |
※これは“超ざっくり”の概要です。最終は会場形状とジャンルで変わります。
3. 「dB(デシベル)」って何?頭が痛くならないように解説
音の大きさは dB で表します。そしてポイントはこれ:3dB上がる=エネルギーは約2倍(耳には「けっこう上がった!」と感じやすい)
ロックやダンス系だと、気持ちよく鳴らすには大きい音を“余裕をもって”出せることが重要です。
ギリギリで鳴らすと、音がつぶれてザラザラして不快音になります。これは「頑張りすぎて声が裏返る」みたいな現象です。

4. RMSとピーク:スピーカーの“持久力”と“瞬発力”
スピーカーやアンプのスペックには2種類あります。
- RMS(連続):長時間走れる体力(持久力)
- Peak(瞬間):一瞬だけ出す全力ダッシュ(瞬発力)
音楽は「ドン!」とか「サビで急に盛り上がる」みたいに、瞬間的に大きい音が出ます。
だから、ピークに耐えられる余裕がないと、音が歪んでしまいます。
5. 低音が足りない?それ、サブウーファーの出番
キック(ドン)やベース(ブーン)を気持ちよく出すには、サブウーファー(低音担当)がほぼ必須です。特にキャパが大きくなるほど、低音の支えが重要になります。
- 12インチ/15インチ:メイン(上モノ)でよく使う
- 18インチ:サブでよく使う(低音が得意)
低音が弱い会場は、盛り上がりが“薄く”になりがち。
(食べ物の塩が足りないと、なんか物足りない…あれと同じです( ;∀;)

6. 音を“狙って”飛ばす:指向性ってなに?
指向性は、簡単に言うと 「スピーカーの音の照射角」です。たとえばライトでも
- 広く照らすライト(ワイド)
- 遠くを照らすライト(スポット)がありますよね。音も同じです。
指向性が合っていないと
- 前だけ爆音、後ろは聞こえない
- 壁や天井に反射してとても不快なこもった音がするみたいな“デッドゾーン(デッドスポット)”が生まれます。

7. ポイントソースとラインアレイ:どっちがいいの?
- ポイントソース:スピーカー1台(または少数)で広くカバー。小〜中規模向きでシンプル。
- ラインアレイ:縦に複数並べて、遠くまで均一に届けやすい。中〜大規模向き。
キャパが大きくなって「後ろまできれいに届けたい」となると、ラインアレイが候補になります。
8. 設置方法で音は変わる(そして安全が最優先)
フライング(吊るす)
- 視界を邪魔しにくい
- 後方まで狙って飛ばしやすい
- ただし、天井の強度・工事・安全管理が必須
グランドスタック(床置き)
- 設置が早い
- 低音が“体にくる”感じを作りやすい
- ただし、角度や高さで音の当たり方が変わる
※吊るす・重いものを載せるは、必ず専門家と建築・設備の確認が必要です。
弊社では、ライブハウス施工の内装も行っているので、スピーカーや照明等を吊るす単管バトン工事も得意です ライブハウスの施工

9. 電源は“影の主役”:ここをケチると泣きます
大きい音響は、瞬間的にたくさん電気を使います。
電気が足りないと、音がヘタって元気がなくなったり、機材が止まったりします。
- 小規模なら単相100Vでもいけるケースあり
- 本格的にやるなら 三相200V が強い味方になることが多い
そしてもう一つ大事なのが アース(接地)。
ノイズ対策にも安全にも効きます。
10. 有名メーカーってどんな違い?(ざっくりキャラ紹介)
プロ現場でよく見かける代表例のみ、紹介します。
- Yamaha:機材全体のまとまりが良く、国内サポートの安心感が強み
- L-Acoustics:音が音楽的で評判が高く、ラインアレイの考え方が強い
- d&b audiotechnik:制御が精密で、ステージ側の低音を抑える技術などが特徴
- Meyer Sound:アンプ内蔵型を中心に、完成度の高い“セット感”が売り
※どれが正解、ではなく「会場・予算・運用体制で最適が変わる」です。
11. 失敗しないための“選び方の順番”
最後に、現場で強い考え方を「順番」にします。
- キャパ・天井高・形(横長?縦長?)を把握する
- メインのジャンルを決める(ロック/ダンス/弾き語り/JAZZなど)
- 目標の音量と“聞こえ方”を設定(前だけじゃなく後ろも)
- サブウーファーの必要性を判断
- 設置方法(吊るす or 床置き)と安全条件を確認
- 電源(100Vで足りる?三相200Vいる?)を確認
- 可能ならシミュレーションで“聞こえない席ゼロ”を目指す
- メンテ計画(掃除・点検・故障時の対応)まで決める

まとめ:スピーカーは「会場の人格」
メインスピーカー選びは、見た目が派手かどうかではなく、
その空間で、だれが、どんな音を、どんな気持ちで聴くかを形にする作業です。
- ワット数だけで決めない
- Max SPLと指向性が大事
- 会場の大きさとジャンルで必要条件が変わる
- 電源と安全とメンテは“絶対に外せない”
などです
株式会社 LIVESCAPE では、新規やリニューアルのライブハウスの施工を行っています。
様々な大きさ、音楽ジャンルのコヤを作成させていただきました。もちろんよく知っている有名なライブハウスの施工もいくつも行わさせていただいたので、あらゆるニーズにお応えできるようにお打ち合わせからはじめさせていただいてますので、是非、お気軽にお問合せください。
TEL:03-5338-3920 株式会社 LIVESCAPE 萩原 章(ハギワラ アキラ)

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